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Song-2-Song

読書感想文・メンタルヘルスについてのあれこれ等。「何者でもない」者の日々の憂い

there there

自省録

 ある若者と縁が切れる。

 

 「押し付けがましい」

 「説教がましい」

 「個性を否定するな」

 「傷ついた」

 

 

 同じことを2度言われた。

 容姿にも芸術の才にも恵まれながら、心を患っている女の人。

 成人に失敗した、引きこもりの彼。

 

 価値観は十人十色であること、そしてそのどれもに絶対性はないこと、始まりには終わりがあること、私は社会の枠組みから外れたイレギュラーな存在であること、私の提案の一例のさらに断片でしかないこと。いろいろな前置きをして、慎重に言葉を練って、緩衝したり傾聴したり、色んな工夫をしながら話したにも関わらず、そう言われた。

 

 ここから先は、私の内なる嫉妬と傷についての話になる。

 すくなくともこの2人、あるいは同じ言葉をかけてきた他の人々には「何があっても彼らを信じてくれる者や、自己を疑わないもう一人の自己」がいたはずだ。

 まだ我々が良好な関係だったときの彼らの力強い言葉、

 「好きか嫌いか」

 「何を以て自分とするか」

 などの確信めいた発言が、彼らの現実的環境とともに裏付けているように思えた。

 

 

 対して、私には何もない。親も子も愛する人も友も良い過去も。何もない。

 「もとのもと」へと遡っていく螺旋状の思考がずっと伸びているだけで、それを上っていくことでようやく平安を得ている。持てる者への嫉妬が、私に悪意を含んだ言葉を吐かせたのか。無意識に毒をふくんで、吐き出させたのか。

 

 それは分からない。

 そして、年上の人に非難された。

 「自分でわかってるんじゃん。自己完結する悩みなら、誰にも話さずにいろ」

 

 

 たぶん、楽譜の強弱記号のように、人にも決まったところで強弱の徴がついている「べき」なのだ。成り行き次第・闇雲に誕生した私は、恐らく死ぬときも薄暗がりの中なのだろう。

 

 本の白い行間を見るとぞわっとして、ひとときで息絶える言葉の羅列で埋めていく。

 

 "Just 'cause you feel it, Doesn't mean it's there"